2025年09月29日(月) 18:00
【Pick Up】ウインカーネリアン:1着
父スクリーンヒーローは、モーリス、ゴールドアクター、ウインマリリンなどの父。自身がジャパンCの勝ち馬だったように、決して短距離向きの種牡馬ではありません。
母コスモクリスタルは現役時代に芝1200mで4勝。その父マイネルラヴは1998年のスプリンターズSを制覇した名馬で、2代母の父カドージェネルーはイギリスでジュライC(G1・芝6ハロン)とスプリントチャンピオンシップ(G1・芝5ハロン)を制覇したスプリンターでした。
ウインカーネリアンは3歳春に皐月賞で4着となっており、この当時は陣営もスプリンターとは考えていなかったはずです。距離を詰めて使うごとにパフォーマンスが上がり、5歳から6歳にかけて芝1600mの関屋記念と東京新聞杯を勝ちました。そして、8歳秋にしてスプリンターズSでGI初制覇を成し遂げました。年齢を重ねるごとに母方のスプリンターの血が強く主張するようになったのだと思います。
母方にマイネルラヴを持つスクリーンヒーロー産駒は走っており、ウインカーネリアンの他にマイネルグリット(小倉2歳S)、マイネルウィルトス(アルゼンチン共和国杯-2着、目黒記念-2着)、レオンドーロ、ウインアキレウス、ウインアイオライト(いずれも3勝クラス)などコンスタントに活躍馬が出ています。連対率25.9%、1走あたりの賞金額417万円は、スクリーンヒーロー産駒全体の15.6%、188万円を大きく上回っており、ニックスといっていいでしょう。
【Pick Up】ホウオウルーレット:1着
東京大賞典を4連覇し、帝王賞も制覇したオメガパフューム(父スウェプトオーヴァーボード)の半弟。父ロージズインメイはドバイワールドC(首G1・ダ2000m)、ホイットニーH(米G1・ダ9ハロン)の勝ち馬で、種牡馬としてはドリームバレンチノ(JBCスプリント)、コスモオオゾラ(弥生賞)、サミットストーン(浦和記念)などコンスタントに重賞勝ち馬を出しています。ロージズインメイ産駒はJRAで芝144勝、ダート258勝ですからパワー型の種牡馬です。
2頭目の重賞勝ち馬を送り出した母オメガフレグランスは「ゴールドアリュール×リアルシャダイ」という組み合わせ。母方にリアルシャダイを持つゴールドアリュール産駒は、コパノリッキー(JRA賞最優秀ダートホース)、サンライズノヴァ(南部杯)、アイアンテーラー(クイーン賞)、ランウェイワルツ(兵庫CS-2着)などが出ております。繁殖牝馬として成功した要因のひとつはこの配合構成ではないかと思います。
【シャーリーハイツ】
1970年代を代表する名馬ミルリーフ(英ダービー、凱旋門賞、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSなど通算14戦12勝)の代表産駒。同じ1975年生まれの同産駒には仏ダービー馬アカマス、本邦輸入種牡馬ミルジョージなどがいます。現役時代に英ダービーと愛ダービーを制覇しました。
種牡馬としても成功し、スリップアンカー(英ダービー)、ダルシャーン(仏ダービー)、シェイディハイツ(インターナショナルS)などの大物を送り出し、日本ではロゼカラーがデイリー杯3歳Sを勝ちました。ヨーロッパ血統における代表的なスタミナ源のひとつですが、それでいて切れる脚も伝えるタイプ。自身が英ダービーを勝ったときはゴール前で鋭く伸び、娘のロゼカラーも決め手に秀でたタイプでした。
「父サドラーズウェルズ、母方にシャーリーハイツ」というニックスは有名で、インザウイングス、ハイシャパラル、ミラン、アレクサンドローヴァ、エバディーラ、イズリントンなど多くの成功例があります。
父系は主にダルシャーンを通じて発展しましたが、残念ながら現在は衰退しています。
シャーリーハイツの息子で愛ダービー2着馬ディプロイは、コマンダーインチーフやウォーニングを兄弟に持つ良血。種牡馬としては平凡で、伊オークス馬ゾマラダーが数少ない活躍馬の一頭でしたが、同馬は名種牡馬ドバウィの母となりました。
「ノーザンダンサーの全兄弟は種牡馬として成功しましたか?」
世紀の名種牡馬ノーザンダンサーには3頭の全兄弟がおり、いずれも種牡馬となりました。ノーザンネイティヴとトランスアランティックは日本で、ノーザンエースはデンマークで供用されました。
競馬が発展途上にある国は、ハイレベルな国から種牡馬を継続的に輸入する必要がありますが、本当にいい馬は売ってくれないので、競走成績が物足りない良血馬や、名馬ではあるものの種牡馬として微妙な成績の馬を輸入してくることになります。ノーザンネイティヴとトランスアランティックは前者です。
ノーザンネイティヴは牝馬東京タイムズ杯と札幌3歳Sを勝ったウエスタンファイブの父。ゴーゴーゼット、ファンドリポポ、ポートブライアンズといった重賞勝ち馬に含まれています。トランスアランティックは根岸Sを勝ったエーコートランスの父。ヒダカハヤト、コスモセンサー、アッパレアッパレに含まれています。
2頭とも競走成績は貧弱。それを考えればよく頑張ったほうかもしれません。ゴーゴーゼット、コスモセンサー、アッパレアッパレはノーザンダンサーとの全兄弟クロスが生じています。
ちなみに、ノーザンダンサーの全妹アークティックダンサーは、繁殖牝馬としてラプレヴォヤンテ(北米で39戦25勝、アメリカとカナダの双方で殿堂入り)という名牝を産んでいます。
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
栗山求「今日から使える簡単血統塾」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
栗山求
netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG
プロフィール
ウインカーネリアンの全成績と掲示板
レース結果
スプリンターズS全着順・払戻金
レース回顧
スプリンターズSの寸評・回顧
ニュース
【スプリンターズS】売上は170億3845万8900円で昨年より約1億円増加
【スプリンターズSレース後コメント】ウインカーネリアン三浦皇成騎手ら
競輪
競輪を気軽に楽しもう!全レース出走表・競輪予想、ニュース、コラム、選手データベースなど。