2025年08月07日(木) 18:02
▲川田騎手の“馬具論”を徹底解説(撮影:福井麻衣子)
前回、カズタンジャーと制したマーキュリーCの回顧をした際、「ブリンカーは必要ない」と持論を語った川田騎手。そこを起点に今回は、川田騎手が考える“馬具論”の話題に。
一口に「馬具」と言ってもその種類は様々。ですが川田騎手は基本的に不要だと考えているそうで、「着ければなんとかなるという安易な気持ちは好きじゃない」と語ります。その根底にある、一頭一頭の馬に寄り添う川田騎手だからこその“考え”を明かしてくれました。
前回はこちら▼
(取材・構成=不破由妃子)
──前回、マーキュリーCを制したカズタンジャーからブリンカーの必要性に話題が及んだわけですが、基本的には「必要ない」というのが川田さんの考えだと。それはなぜですか?
川田 ブリンカーは、物理的に前しか見えない状態にすることで、前だけに集中させて、馬を強制的に走ることに集中させるための道具です。走ることに前向きになれないとか、やる気がないとか、動きが悪いとか、そういう馬に着けます。ブリンカーほどではないけれど、視界を遮るという意味では、チークピーシーズに求める効果も似たようなものです。
馬に集中力を求める、イコール気持ちのコントロールなわけですから、それは人がやればいいというのが僕の考えです。道具に頼るのではなく、乗り手がやればいい。ちなみに、シャドーロールも視界を遮りますが、着けたことで見えなくなるのは脚元。影などを怖がってしまう馬に脚元を見せないようにするのが目的なので、ブリンカーやチークとは意図が異なりますね。
──集中力って、そんなに簡単に人間がコントロールできるものなんですか?
川田 簡単ではないから、チークやブリンカーを使用しようとなるんです。でも、ほとんどの馬はコントロールできると僕は思ってます。実際、視界を遮らなくても走れている馬がほとんどで、ブリンカーを着けていない馬のほうが圧倒的に多いんだから。視界を遮ることによって、余計に怖がる馬も出てきますしね。それが原因で走れない馬もいますよ。
──なるほど。確かに自分に置き換えたら怖い。
川田 人間だって“音は聞こえるけど見えない”状況に置かれたら怖いですよね。それに、・・・
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川田将雅
1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。
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