思い起されるトレヴのヘッド師

2025年08月15日(金) 12:00

札幌記念の注目馬

 武豊騎手の4600勝や坂井瑠星騎手の海外勝利、そして若手ジョッキー・佐々木大輔騎手の2週連続重賞制覇など、凄いなぁと思うニュースが多かった先週。

 眩しすぎましたぁ。

 その一方で、シャーガーCにおいては、「素晴らしい騎手もいましたが、ここにいるべきではない騎手もいた。騎手レベルがいつもより明らかに低かった。主催者は騎手を厳選する必要がある」との苦言も生まれ、厳しい評価を受けた騎手も…。

 これに関しては様々な意見があると思いますが、個人的には馬の歴史と人の歩みが深い国だからこそのプロフェッショナルさを感じ、以前、日本に来日した際の女性調教師であるヘッド師が思い起こされました。

 ヘッド師と言えば、トレヴで凱旋門賞連覇を成し遂げたトレーナーですが、2013年に勝利をした際は、「馬にとって負担の多いレースだった。ジャルネ騎手の騎乗はダメだった」と回顧。

 しかし翌年の凱旋門賞においては、オーナーサイドが別の騎手を指定する中、「この馬を1番理解しているのはジャルネ騎手。ジャルネで挑みたい」と懇願。

 そしてその言葉通り、馬の能力を最大限に引き出しての勝利に、「騎手が素晴らしい騎乗をした」と称賛。

 そう、ヘッド師や今回のハガス氏は、勝ち負けや着順がジャッジの基準ではなく、レースにおいての馬に与える影響の度合いが物差しだからこその発言だったように思えます。

 ヨーロッパ経験のある藤沢和雄師も、「馬の一勝より一生」と話されていましたが、レースにおける1戦1戦は点ではなく線として捉えているからこその背景を感じるものでした。

 さて話は変わり、今週はスーパーGII・札幌記念です。

 枠がでてからの印象とはなりますが、注目は3頭。

 まずは昨年のノースブリッジのような競馬運びをするのでは? と感じる岩田康誠騎手のホウオウビスケッツ。先行力とペースを作る気がします。

 ただ今回においては、それを阻止すると考えられるのが函館記念で圧勝したヴェローチェエラ。これは佐々木大輔騎手の大騎乗と思われる1戦。この馬の瞬発力ではなく持久力を信じての騎乗で、スタート当初からインに閉じ込められない誘導。凄いなぁと思う1戦でした。そして今回も枠次第ではありますが、前回のような競馬をすると思います。

 あとはこちらも枠が重要となりますが、インコースに入ればアルナシーム。この馬は一瞬の切れ味ゆえ、外目の枠よりも内でこそのタイプ。前走は最後、進路を探す競馬でもありましたし、インコースに入れば理想的な競馬となる気がしています。それでは皆さん、ステキな週末を。

 ホソジュンでしたぁ。

netkeibaアプリで続きを読む

このまま続きを読む

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

細江純子

愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

関連情報

新着コラム

コラムを探す