【NHKマイルC・エプソムC予想】どんでん返しの「外枠有利」も超高速馬場の基本的な狙い方は変わらず!

2025年05月10日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

 人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

大波乱をねらっても…?

編集下M(以下、M) 先週のユニコーンSは「メイショウズイウンとクレーキングが普通に走ってしまいそう」という前回のコラムの通り、1〜3番人気での決着となりました。

立川(以下、立) 差しが届く京都ダート1900mの世代限定戦で、上がりを使える馬が人気になってしまっては堅く収まっても仕方ありません。人気決着ではありましたが、コラムで名前を挙げた4頭のうち3頭で決まって、『ウマい馬券』でも的中できたのは良かったです。

⇒ユニコーンSの予想

M 昨年はユニコーンSを制したラムジェットが続く東京ダービーも制しました。今後はユニコーンS組と羽田盃を圧勝したナチュラルライズとの対決が焦点になりそうですね。

立 今年は1.56.8と時計こそ速かったものの、マクリ差して0.4秒差ちぎった昨年のラムジェットと比較すると内容的には物足りません。ナチュラルライズが頭一つ抜けているとみて間違いないでしょう。

M 天皇賞(春)も1番人気のヘデントールが順当に勝利。

立 「上がりを使える外枠差し馬」ということでジャスティンパレスに期待しましたが、例年より緩みのないラップの上り坂でマクリ仕掛けを入れる乗り方は残念でした。『ウマい馬券』でアップしているレース質傾向分析通りに決まったのですが、買い目は3連単で痛恨の抜け。サンライズアースが切れ負けして差されることは予測できていただけに、捕らえないといけない馬券でした。馬券に繋げられなかった身で言うのもなんですが、ここでのサンライズアースのような馬を、上がりが出る馬場で自信を持って切ることは回収率を高めていくために非常に大事ですよ。

立川優馬

天皇賞(春)のレース質診断表

M さて今週はNHKマイルC。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』の5月第2週のページをみると「東京と京都の超高速芝を攻略するためのアプローチ」とあります。

立 先週の東京芝は京王杯SCで1.18.3という超絶レコードが出るような、まさに“超高速馬場”なのでピッタリのテーマでしたね。本にも書いた通り「外枠不利」が顕著で、外を回しての差しはほとんど届いていませんでした。

M 東京芝は1800m、2000mなど、最初のコーナーまでの距離が短く、コース形態的に内枠有利に振れやすいコースが多いのでなおさらですよね。

立 先週は2000mでその傾向が顕著でした。コースがもつ「内枠・先行」というレース質と超高速馬場とが相まって、直線内を通した馬しか走れないような状況。4レース全てで1枠1番が馬券に絡み、馬券内12頭中8頭が1〜3番枠の馬でしたから。

M 1枠1番の激走には12番人気2着(土曜4R:ミエノフェアリー)、11番人気3着(日曜11R:カレンラップスター)が含まれているから強烈です。

立川優馬

5月第2週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

立 今週末の東京は金曜から土曜にかけて雨の予報なので、先週同様どこまで回復してくるかがポイントになりますが、雨を見越して散水は控えるはずで、先週くらい乾きが速いなら同じように内枠有利が強い馬場(=外からの差しが届かない馬場)と捉えてよいでしょう。ポケット発走の芝1800mで行われるエプソムCは内枠有利、上級条件だけに上がりが使える先行馬を評価したいですね。

M 「上級条件だけに上がりが使える先行馬を評価」のメカニズムについては、単行本『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』をご覧ください…と宣伝をねじ込んだところで(笑)、NHKマイルCについても一言教えてください。といっても、やはり「内枠有利」で良さそうですね?

立 ところが、圧倒的内枠有利だった先週の東京芝で、唯一外からの差しが届いたのが東京芝1600mだったのです。芝ダート問わず東京のマイル戦は、「テンに流れる→中盤緩む→末脚勝負」の流れになりやすく、外からの押し上げが利くのが特徴。超高速馬場で非常に速い上がりが出る中、直線では横一線からの追い比べになるので、スムーズに直線外を通せる馬が有利、という構造ですね。特にNHKマイルCは世代限定戦なので、テンに流れての差し決着になりやすい傾向。「外枠有利」で取ることになりそうです。

M なんとここでどんでん返し。コースとメンバー構成で、同じ競馬場でもレース質が変わるということですね。

立 とはいえ、枠の部分以外は、超高速馬場の基本的な狙い方と変わりません。「持ち時計がある馬よりも、上がりが速い馬場で好走経験のある馬を評価する」です。

M 現時点での注目馬を教えてください。

立 新馬を除く4戦で全て上がり3F1位を使っているイミグラントソングは人気馬の中で最も信頼できそう。外枠なら軸候補です。逆に、アドマイヤズームはスロー先行競馬でしか上がりを使ったことがなく、ここでは危ないパターン。内目の枠を引くようなら軽視する予定です。

 穴なら、外枠有利の中で内の進路を通った分、桜花賞では上がりを出せていないものの、末脚性能が高いマピュースに注目。それから、常に不利の中で走ってきていて、初めて恵まれたファルコンSを差し切ったヤンキーバローズもコンスタントに上がりを使えるのは強みです。ただ、こちらは距離延長ローテ自体が不利なので外枠の後押しが必要かもしれません。

M このレースの穴パターンでもある距離短縮組はいかがですか?

立 皐月賞上がり3F1位で穴人気しそうなマジックサンズは、追走面の心配があって間に合わない可能性が高そう。この馬との比較なら、前走先行からの短縮になるサトノカルナバルをオススメしたいですね。

<枠順確定後の追記>
 NHKマイルCは人気を背負いそうな馬が内枠に固まりました。これなら大波乱をねらってもよいのではないでしょうか。先週並みの超高速馬場なら1分31秒台の決着で上がり3F33秒台前半が勝ち負けレベルと見ると、やはり直線でブレーキ要素のない外枠勢がスムーズに伸びてくる形をイメージします。例えば、大外枠を引いたコートアリシアンは、新馬戦で東京ではメンバー最速の上がり3F33.3を使っています。前走ニュージーランドTではここで1、2番人気想定の2頭に0.2秒差だったので、今回は内外の差で逆転もあり得ると見て評価急上昇ですね。

 また、元々注目していた組ではマピュースとサトノカルナバルが外目の枠を引いてくれました。どちらも上がりが使える馬でもあり、ここは強めに評価したいところ。イミグラントソングは鞍上がルメール騎手なので、一旦下げて外を回す競馬をするはず。少しロスはあると思いますが、直線は外から伸びてはくるでしょう。

 アドマイヤズームは悩ましい中枠を引きましたが、1番人気なら軽視するつもりです。土曜の様子を見てからになりますが、切れる馬に差し切られる可能性は高いと判断します。

 エプソムCは、ポケット発走で内枠勢が先行しやすいコースにもかかわらず先行したい馬が比較的外枠に入ったことでペースが流れてきそう。それでも半乾きの高速馬場では外からの差しは届かずラチ沿い有利と見て、最内枠から距離延長ローテで好位を走れるキョウエイブリッサを評価したいところ。また、短縮でも発馬を決めてラチ沿い2列目で折り合えるならシュトラウスも楽しみですね。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

関連情報

新着コラム

コラムを探す