2025年09月27日(土) 12:00
こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。
人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
(取材・文・構成=編集下M)
編集下M(以下、M) ようやく猛暑もひと段落着いたと思ったら、もう今週からGIが開幕します。ここを当てないことには「秋のGI全勝!」とドヤることは不可能なので、是が非でも当てたいレースです。
立川(以下、立) WIN5で何はともあれ「WIN1!」と叫びたい、みたいなものですね(笑)。
M ということで、『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』9月第4週のテーマは『JRA随一の特殊条件である阪神ダート2000mは波乱含み』。…スプリンターズSと違うんかーい!
立 第1回のコラムと全く同じ導入じゃないですか(笑)。阪神ダート2000mはJRA随一の特殊なコースで『レース質マトリックス』の理論が生きる舞台。どうしてもシリウスSの週に触れておきたい理由もあったので、敢えてここに入れさせてもらいました。もちろんコラムの後半でスプリンターズSについても触れますよ。
M スプリンターズSについては、単行本の3月第1週や9月第2週の内容も参考になりそうですね。
9月第4週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
M では「シリウスSの週に触れておきたい理由」も含めて解説をお願いします。
立 冒頭でお伝えした通り、阪神ダート2000mは特殊なコース。そういう条件では、芝ダート問わず、試行数が少ないうえに頭数がそろわないことが多いので、本当のレース質が理解されにくいところがあります。例えば、中京芝2200mはJRAの芝コースでトップクラスに差しが届きやすいコースなのですが、少頭数ばかりで結果的にスローの先行決着ばかり。ただ、頭数がそろうと途端にペースが流れて差しが届くので、変則開催時に重賞が行われたときには非常に儲かるコースに変貌していました。
M 今年の日経新春杯も3コーナー8番手のロードデルレイと12番手のショウナンラプンタがワンツーしています。3番手以内だった3頭はメイショウタバルを含め総崩れですね。
立 阪神ダート2000mもこれと同様で、普段はなかなか頭数がそろわない分、今週のシリウスSのように、重賞で多頭数というレースは絶好のねらい目になります。
M 一旦、阪神ダート2000mの特徴を整理していただけますか?
阪神ダート2000mの立川式コース図
立 阪神ダート2000mの特徴を一言で言うと、差しが届きやすいステイヤーコースです。その理由は以下のとおり。
1.4コーナー引き込み線発走で、発走地点が芝+下り坂
2.最初のコーナーまで約498mと長く、途中で直線の急坂を上るレイアウト
3.向正面後半から直線半ばまで下り坂で、ラスト200m地点に急坂
つまり、テンに流れやすく、起伏に富んだコース形態をしているので、先行負荷が高くなりやすい。阪神芝2200mに近いコース形態をイメージすると分かりやすいかと思います。
M タフなコースなのに前半のペースが上がりやすいということか。
立 例えば、今開催で阪神ダート2000mは9/14の1勝クラス13頭立てが行われただけですが、このレースでもテン3F35.4→上がり3F38.2という超前傾戦になっていました。先行した1、2番人気が1、2着、逃げた3番人気が5着しましたが、3、4着には人気薄の差し馬が台頭しており、穴は差し馬から出ることが分かります。
M となると、上級条件のシリウスSなら差しが届きそうですね。
立 そうですね。「上級条件」に加えて、「多頭数」「先行馬が多い」「時計の掛かる馬場」「先行馬が内枠」という条件がそろえばそろうほど、阪神ダート2000mでは差しが届きやすくなります。シリウスSは「上級条件」「多頭数」に該当しており、天気予報を見る限り、乾いた馬場で「時計の掛かる馬場」も間違いないでしょう。あとは先行馬が芝発走で先行しにくい内枠に入って、ペースを引き上げてくれることを祈りたいところです。
M グーデンドラーク、ホウオウプロサンゲ、ルクスフロンティアあたりが先行候補でしょうか。
立 それらの馬が内枠に入るとペースは速くなるでしょうから、そのような枠並びになれば積極的に差し馬をねらいたいところ。また、阪神ダート2000mは特殊距離なので、リピーターが強いコースでもあります。阪神ダート2000mに好走歴がある差し馬だと、軸候補としてタイトニットが浮上してきます。1900m以上の距離で上がりが掛かるレースでの好走歴がある馬まで広げると、メイプルリッジの去勢明けも面白いかもしれません。
M ここからはスプリンターズSについても一言お願いします。
中山芝1200mの立川式コース図
立 中山も週中から週末にかけて好天が続きそうなので、中山芝1200mらしい高速馬場での高速決着が望めそうですね。今年はテンに速い馬が多く、おそらく1分7秒台前半の決着でテン3F32秒台の消耗ラップ戦が濃厚。発走地点から下り続ける中山芝1200mでこのラップになると、外を回す馬は物理的に間に合わないので、枠順が重要な要素になってきます。
M 近年の傾向通り、内枠有利というスタンスで良さそうですね。
立 内枠圧倒的有利で、外枠の差し馬はまず勝負に加われないということを前提に、テンの追走力が高く、かつ控えても競馬ができる馬がベスト。もし内枠に逃げ候補が入っていて、内枠主導の隊列になる枠並びなら、内枠独占も想定に入ります。
これまでの戦績から、馬キャラ的に該当しそうなのはウインカーネリアン、カピリナ、サトノレーヴ、ジューンブレア、ペアポルックス、ママコチャ辺り。この中で、中山芝1200mで3戦3勝、高速決着の追走戦も得意で、控えて上がりを使うこともできるジューンブレアが1〜2枠を引いたら穴候補の最右翼に上がってくるでしょう。
<枠順確定後の追記> シリウスSは先行馬が1、2番枠を引いて出してくれればペースは流れるので、想定どおり差し有利でよいでしょう。注目のタイトニットは大外枠ですが、芝発走で位置も取りやすいのでよいですね。前走は内枠ラチ沿い有利の8枠だったので条件好転も大きいです。同じく8枠差し馬のホウオウルーレット、内枠からメイプルリッジ、テーオーパスワード、ラインオブソウル辺りまで評価したいところです。
スプリンターズSは内枠主導濃厚の枠並びになって、これは内枠有利が強く出そう。外枠勢では先行馬は出し切れず、差し馬は間に合わないので軽視する予定です。
内枠で位置が取れて、上がりもまとめられる馬と言えば、4番枠のママコチャになりますかね。自身の内外は差し馬なので、1枠2頭についていく形で楽に位置が取れそう。1番枠のピューロマジックがどんな競馬をするのかはポイントになりますが、(ピューロマジックが)控えるならハナもありの姿勢で。同じく7番枠のサトノレーヴもママコチャについていく形で大崩れはなさそう。この辺りを軸にして考えたいところです。
穴なら断然2番枠のヨシノイースターでしょう。この馬は元々出遅れ癖があったように腰が甘いので、発走後に下るコースでないとテンにダッシュが利きにくいのが特徴。実際に、中山や小倉のような直線まで下り続けるコースでは大崩れしていません。特に中山芝1200mではサトノレーヴに0.1秒差、トウシンマカオに0.2秒差があって、枠を生かせば逆転の目まで見えます。ピューロマジックの前に出るか、後ろになるかは分かりませんがラチ沿い2列目は濃厚なので楽しみです。
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