2025年08月16日(土) 12:00
こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。
人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
(取材・文・構成=編集下M)
編集下M(以下、M) 先週のレパードSの◎ドンインザムード◯ルヴァンユニベールはお見事でした。コラムでの指摘がドンピシャでしたね。以下に引用します。
全体的には中〜外目の枠に人気どころが入った感はあるので、あまりに時計が速いようなら内枠に焦点を絞って、前走差し有利のマクリ決着を先行して止まった1番枠のドンインザムードの巻き返しが面白いかもしれません。
立川(以下、立) 実は、土曜のエルムSも含水率の高い高速ダートの内枠ねらいで1番枠のペリエールを軸に仕留めていたので、2日連続で同じパターン。もう少し売れてしまうかなと思っていたのですが意外に気づかれないものですね。芝ダート問わず、高速馬場は内枠有利に傾くことはレース質を判断するうえで基本の一つなので、頭の片隅に置いておいてください。
M この調子で今週もお願いします。さて、『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』8月第3週のタイトルは「中京競馬場のコース形態上、有利になる騎乗をしてくれる騎手をねらう」ですね。テーマは騎手ですか。
8月第3週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
立 私が提唱している予想理論「レース質マトリックス」では、コースがもつレース質を、レースにおける加速地点に当たる「テン2F目」「3〜4コーナー」「正面直線」の形態を基に設定しています。そして、その3地点において特殊な形態をしている中京競馬場は、その特徴を理解しているかどうかが勝負の分かれ目になるのです。
M 今、TAROさんの最新刊『道中の動きが見えてくるジョッキー事典』(オーパーツ・パブリッシング)の編集作業をしているのですが、その原稿を読むと騎手によって特徴が全く異なることがわかります。ですから、特殊なコースほど騎手が大事だというのも理解できます。
立 コースの詳細は単行本『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を読んでもらうとして、簡単に中京競馬場の特徴をまとめると以下の通りになります。
●芝短距離及びダート短距離は発走地点から緩やかに上るレイアウトになっているので、他競馬場に比べてテンに速度が出にくい(テン2F目)
●芝中距離及びダート中距離は、発走後に急坂を上るレイアウトになっているのに加え、コーナー角がきつく、向正面半ばまで上り坂になっているのでスローになりやすい(テン2F目)
●3〜4コーナーが鋭角なスパイラルカーブになっており、外を回すと遠心力で振られやすく、外枠は距離ロスが大きくなりやすい(3〜4コーナー)
●正面直線入口から急坂を上り、残り200mを惰性で走り切るレイアウトになっている(正面直線)
中京芝1600mの立川式コース図
予想においてはこれらのコース形態を考慮して、レース展開を組み立てるのですが、それは予想する我々だけでなく、騎乗している騎手も同様です。特徴的なコース形態だからこそ、騎手の中京理解度の高さ(必ずしも腕のよさではない)や、元々その騎手がもっている騎乗スタイルがレース結果に直結してきます。
M では、どのような騎乗スタイルの騎手が中京に向いているのでしょうか?
立 結論からいうと、中京コースでは以下のような騎乗をしてくれる騎手が好成績を上げています。
・A 短距離では、道中内にこだわって3〜4コーナーをタイトに回してくれる騎手 ・B 中距離では、先行して4コーナー出口から早めに仕掛けてくれる騎手
Aの代表としては、岩田康騎手が挙げられます。2024年の京都金杯や、まさに中京で行われた2021年の京都金杯でともに1枠2番の馬をラチ沿いを通して勝たせています。そのほか、鮫島駿騎手、和田竜騎手、団野騎手、菅原明騎手、西村淳騎手などがねらい目。
M 岩田騎手が12番人気のケイデンスコールで勝利した2021年の京都金杯鮮やかでしたね。では、Bの代表はいかがでしょうか?
立 坂井騎手や川田騎手ですね。どちらも仕掛けの早い先行型の騎手で、中京の直線入口の急坂でスパートして、後続に決定的なポジション差を築く競馬を選ぶことが多いですね。同様のタイプとして、岩田望騎手や幸騎手、先行力という点で国分恭騎手や西塚騎手などにも注目してください。
M 逆に言うと、外を回すタイプ、脚をためて追い込むタイプは、中京競馬場では狙いにくいと。
立 そうですね。外を回す競馬を選びやすい騎手は中京のコース形態に合いません。例えば、外回しの騎乗スタイルで好成績を上げているM.デムーロ騎手や今村騎手などは、中京開催がブレーキになることが多いですね。マクリを得意にしているという意味で、騎乗機会は少ないですが横山和騎手や丹内騎手も騎乗スタイルとマッチしません。
また、中京コースへの理解度が低いという意味では、単純に騎乗回数の少ない新人騎手や関東騎手も、関西のベテランに比べると分が悪いので、馬券の軸は基本的に関西の中堅どころから選ぶことをオススメします。
M 中京記念はレース名とは裏腹に、20年が阪神開催、21年、22年、24年が小倉開催と別の競馬場で行われることが多かったのですが、今年は中京芝1600mで施行されます。
立 (前述の騎手タイプの)Aに該当する騎手には期待したいところです。例えば、団野騎手騎乗のブルーミンデザインは、先行力があり、騎手の騎乗スタイルとも合っているので、内枠を引いてラチ沿いを立ち回る競馬ならチャンス。菅原明騎手騎乗のウォーターリヒトは脚質的に直線外を回すことになりますが、12頭立ての少頭数なら外に持ち出すロスが小さいので、内枠を引いて道中内追走から直線だけ外に出す競馬で期待できるでしょう。
M タイプBの騎手としては坂井騎手がエコロヴァルツに、川田騎手がエルトンバローズに騎乗します。
立 2頭とも本来先行力がある馬なのでスローになりやすい中京芝1600mなら位置が取れるはず。こちらも内枠を引けると楽しみですね。
M その他の注目騎手を教えてください。
立 軽量で人気を背負いそうなマピュースは関東の横山武騎手騎乗で少し割引、中京経験が少ない井上騎手騎乗のコレペティトール、バデル騎手騎乗のセブンマジシャンも厳しいレースを強いられるでしょう。
特注は、近年中京で開催された2023年と2019年を勝利している松山騎手でしょうか。どちらも3枠から道中内を通す競馬をしているので、1〜3枠を引いたらキープカルムの重賞連勝もあり得るかもしれません。
M この後の「枠順確定後の追記」は必読ですね。
<枠順確定後の追記> 正直、ねらいたかった馬が外枠に入ってしまって残念ではあります。注目馬のうち、唯一内枠に入ったエルトンバローズは、自身の内枠のテンが遅いので、楽にラチ沿い2列目を確保できるはず。川田騎手と騎乗スタイルが似ている西村淳騎手が主戦だった馬なので、出していく川田騎手の騎乗にも応えてくれると思います。長期休養明けでもあり、6枠2頭が人気を背負ってくれるなら妙味はありそうですね。
隊列面では5番枠のシンフォーエバーがハナを切るので、その外から先行する馬は位置を取りやすくなります。9番枠のブルーミンデザインは外枠こそ残念ですが、自身の外枠から被せられることはなさそうで、内枠の先行馬の出方を見ながら出していけるので、枠の並びとしては悪くありません。理想は逃げ馬が出し切ってくれた後の番手外でしょう。
少頭数でもあり、大きく荒れる要素は少ないので、単系の馬券で順番を当てるゲームになるかなと思います。
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人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!
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