2024年06月19日(水) 18:02
▲左からブローザホーン(c)netkeiba、ローシャムパーク、ルージュエヴァイユ(撮影:下野雄規)
今週末に行われる上半期のグランプリ宝塚記念に向けての予想対談。
前編では、京都競馬場で行われる今年のポイントや、上位人気が予想される「ドウデュースvsジャスティンパレス」の優劣を検証してきましたが、後編ではその他の有力馬や狙いたい穴馬について徹底診断。
宝塚記念的中に向けて、濃密なトークをぜひ最後までお楽しみください。
前回はこちら▼
(構成:netkeiba編集部)
──続いて、3番人気と想定されているローシャムパークについてはいかがでしょうか?
Mahmoud 良い血統だし、強いと思うのですが、このメンバーに入ると瞬発力が課題かもしれません。速い脚がないわけではないけど、このメンバー相手だと見劣りしてしまいます。
これまでギュンと加速させるようなレースをさせずに、ルメール騎手が結果を出してきたということもありますし、大阪杯でも戸崎騎手がバックストレッチで上がっていくレースをしたから2着まで来れたという面もあります。序盤での後方の位置取りのまま我慢させて、直線勝負であそこまで来れたかというと疑問ですね。
そのような面で考えると、この馬は阪神内回りのほうが適していたかなと思います。また、ペースが上がらないこのメンバー構成だと、逃げた方が絶対に良いと思います。逃げたいという馬は1頭もいないし、逃げる可能性があるのはこの馬かディープボンド、あるいはベラジオオペラくらいですから。
望田 ベラジオが行く気なら一番速いでしょうけどね。
Mahmoud ディープボンドも脚は遅いんですが、京都の2200mは1コーナーまでまあまあ距離があるので、外枠を引ければグイグイ押して1コーナーに入る辺りでハナに立てる可能性は十分ありますよね。
ローシャムパークは逃げるか、ディープボンドやベラジオオペラが良いペースで引っ張った2番手3番手につけるならいいのですが、スローペースに巻き込まれた3番手となると厳しくなるかもしれません。
望田 まあ、ハービンジャー産駒ですしね。ちょっとスピードが足りないイメージはあります。
▲ハービンジャー産駒のローシャムパーク(撮影:下野雄規)
──今少し話に上がりましたベラジオオペラは、2走前の京都記念でプラダリアに完敗していて、距離延長に不安があるようにも見えます。
Mahmoud 2400mの日本ダービーで最後に差を詰めてきたのを見れば、距離は気にしなくていいと思います。ロードカナロア産駒だけど、アーモンドアイが実際に実績を挙げているわけなので、2400mまでなら馬によっては苦にしないケースももちろんあります。
京都記念でプラダリアに負けていますが、5歳のプラダリアに対してベラジオオペラは4歳初戦です。4歳馬と5歳馬では成長力は全く違うのです。京都記念から4ヶ月後の成長余力はベラジオオペラのほうが絶対にあると思います。
京都記念では0.1秒プラダリアに負けていたのに、大阪杯では0.4秒先着しています。たった200mの距離の違いだけで0.5秒も逆転するのであれば、逆に400m伸びたら1秒も差が開くわけです。そこまで距離適性でドラスティックに影響が出るか? という考え方をすると、距離うんぬん以上にベラジオオペラは成長していると言えます。もう一度京都記念のコースで走れば、あの0.1秒差は間違いなく詰まるだろうということをまず考えるべきです。なので、私はベラジオオペラがプラダリアに負けることはないと思います。
望田 ベラジオオペラはロードカナロア産駒だけに、ハービンジャー産駒のローシャムパークとかよりは基本的に脚が速いわけです。
雨が降るかどうかというのはポイントになるのですが、今回のメンバーはやはりいい意味で“どんくさい”馬が多いので、京都の良馬場で逃げ馬がいなく、後半速い上がりを求められたときに、単純に良い位置にいるだろうし有利だろうというのはあります。
たとえば、京都記念のときは荒れた馬場で時計がかかっていましたが、あの時点でもパンパンの良馬場で行われていたらもっと差はなかったと思います。
Mahmoud 一応私の馬場判定だと、大阪杯のほうが京都記念の日の馬場よりもマイル戦で0.7秒速い馬場です。大阪杯は距離が200m短いうえ、なおかつ速い馬場という条件があったので、プラダリアとベラジオオペラのスピードの絶対値の違いが出たのだと思います。
今回どちらの延長線上で考えるかですが、雨が降らなければ大阪杯の延長線上で考える方が妥当な気がします。
望田 ベラジオオペラの牝系は、エアデジャヴーやエアメサイアなどの血統で、昔からよく走っている血統です。ボールドルーラー系のRaja Babaの血が入っており、秋華賞や皐月賞で良績があるように小脚が利く感じのタイプです。
ベラジオオペラは母父にハービンジャーが入るので、典型的なこの一族の雰囲気とは違うかもしれませんが、大阪杯を勝ったように、ここ一番で先行してパッといい位置につけてコーナーを上手に回って勝つという機動力に富む血統です。
大阪杯組と比べるとスピード面では有利ですが、2強の馬たちを食えるほどの100%の力を出せるコースかと言われると、そこまで推せない部分もあります。
Mahmoud 2強を食えるかどうかは、成長次第ですね。4歳世代の牡馬は、ソールオリエンスやタスティエーラを筆頭に、皐月賞以降の成長が見られません。今回、宝塚記念に出走するソールオリエンスには変わり身があるんじゃないかと密かに期待していますが。
しかし、ベラジオオペラは日本ダービー時点ではソールオリエンスらに敵わなかったものの、今年に入って大阪杯を勝ったように成長が見られますので、さらにもう一皮剥ける余地があります。
エプソムCを勝ったレーベンスティールと同じくらいの成長曲線を描いていれば、ドウデュースやジャスティンパレスに食い下がってもおかしくないと見ています。
▲4歳になり、大阪杯を制したベラジオオペラ(c)netkeiba
──Mahmoudさんは、ドウデュースやジャスティンパレスの2強にベラジオオペラが食い下がるかという構図と見ているわけですね。
Mahmoud それ以上に私は、ドウデュースが負けちゃうんじゃないって思っているんだけど。
──ジャスティンパレスが勝つということですか?・・・
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